イラストレーター Nahちゃん(22)
「自分の絵は絶対に可愛い!」
イラストが趣味から仕事へと変わった
平成最後の夏
掲載:mix 2019 冬号(2019.11.22)
取材・文・写真:福島 大祐
イラストレーター
Nahちゃん(22)
大胆でポップなパステルカラーに、どこか感じる毒気。アメコミのようでもある柔らかなそのタッチは、福岡発イラストレーター・Nahさん特有のものだ。大卒一年目の弱冠22歳。彼女の人生はここ1~2年で大きく変化したという。
Nah:小学生の時から絵を描くことは好きでしたが、転機は大学3年の夏に百道浜であったフェス・TRIANGLEです。知人のバンドが出ることになって、『絵を描くならグッズのイラストを描いてほしい』と言われて気軽に引き受けたんですけど、大きな反響があって。それからイラスト用のSNSアカウントを作りました。そして、去年の夏に今度は友だちが働いているゲストハウス『SEN&CO』の1階のスペースの展示で声をかけてもらって。そこにいろんな方が来てくれて、パルコのポップアップに呼ばれたり、絵のお仕事が続くようになりました。
このように彼女のイラストが急速に広がり始めたのは大学3~4年生のこと。一般的には就職活動真っただ中の時期だ。
Nah:大学3年までは東京までインターンシップに行ったりしていました。早めに就職決めたいと思っていたんですけど、絵がちゃんと仕事になったらそれが一番いいなと思うようになって。希望の企業さんも見つからなかったので、就職活動を頑張りたいという気持ちがだんだん薄れていきました。両親に『4年代に行かせてもらったけど、イラストやりたいから就活しなくてもいいかな』と聞いたら『やりたいことをやるのを応援するよ』と言ってくれて。それで大学4年の間はずっとイラストの仕事を続けていました。
福岡は近年多くの若手イラストレーターがSNSをきっかけに登場し活躍中。そういった同業者たちはNahさんにどう映っているのだろう?
Nah:福岡はコミュニティが少ないので、イラストレーター同士の繋がりも多いですよね。私はどうだろう…、最近は単独で活動できている気がします。グループ展も多くて刺激を受けるんですけど、似たような絵柄にはならないよう気を付けていて。他のイラストと比較した時に『ここが印象的だな』というところを作りたくて、イラストの女の子の目には時に気を遣っています。熱を持っているように見せるというか、視線を感じられる表情にするよう意識していますね。
数年前からのムーブメントもあり、最近は「10代でイラストの活動をする人も増えてきている」というから驚きだ。
丁寧な受け答えに他社とシーンを客観的に見つめる視点、彼女のこか感じる毒気。アメコミのようでもある柔らかなそのタッチは、福岡発イラストレーター・Nahさん特有のものだ。大卒一年目の弱冠22歳。彼女の人生はここ1~2年で大きく変化したという。
Nah:小学生の時から絵を描くことは好きでしたが、転機は大学3年の夏に百道浜であったフェス・TRIANGLEです。知人のバンドが出ることになって、『絵を描くならグッズのイラストを描いてほしい』と言われて気軽に引き受けたんですけど、大きな反響があって。それからイラスト用のSNSアカウントを作りました。そして、去年の夏に今度は友だちが働いているゲストハウス『SEN&CO』の1階のスペースの展示で声をかけてもらって。そこにいろんな方が来てくれて、パルコのポップアップに呼ばれたり、絵のお仕事が続くようになりました。
このように彼女のイラストが急速に広がり始めたのは大学3~4年生のこと。一般的には就職活動真っただ中の時期だ。
Nah:大学3年までは東京までインターンシップに行ったりしていました。早めに就職決めたいと思っていたんですけど、絵がちゃんと仕事になったらそれが一番いいなと思うようになって。希望の企業さんも見つからなかったので、就職活動を頑張りたいという気持ちがだんだん薄れていきました。両親に『4年代に行かせてもらったけど、イラストやりたいから就活しなくてもいいかな』と聞いたら『やりたいことをやるのを応援するよ』と言ってくれて。それで大学4年の間はずっとイラストの仕事を続けていました。
福岡は近年多くの若手イラストレーターがSNSをきっかけに登場し活躍中。そういった同業者たちはNahさんにどう映っているのだろう?
Nah:福岡はコミュニティが少ないので、イラストレーター同士の繋がりも多いですよね。私はどうだろう…、最近は単独で活動できている気がします。グループ展も多くて刺激を受けるんですけど、似たような絵柄にはならないよう気を付けていて。他のイラストと比較した時に『ここが印象的だな』というところを作りたくて、イラストの女の子の目には時に気を遣っています。熱を持っているように見せるというか、視線を感じられる表情にするよう意識していますね。
数年前からのムーブメントもあり、最近は「10代でイラストの活動をする人も増えてきている」というから驚きだ。
丁寧な受け答えに他社とシーンを客観的に見つめる視点、彼女の口調からはイラストを「仕事」とする覚悟やプロ意識が端々から感じられた。
Nah:私は就職しなかったというか、むしろ就職活動をしっかり頑張れて、毎朝決まった時間に起きて仕事に行く人とかが私から見たらすごいなと思って。その分、私は私でちゃらんぽらんだといけないなって。イラストはお仕事なんだと意識は持つようにしています。イラストの仕事をしているのに『自分の絵に自信がないんだよね』という人は、クライアントも嫌じゃないですか。『周りはわからないけど、自分の絵は可愛いものだ』と思って私は描いているし、仕事としてちゃんとしたいとは思っていますね。
そう話すNahさんは彼女が描くイラストの女の子と同じ、静かに燃える瞳が印象的だった。
■Profile
’96年生まれ。福岡県出身。サイバーパンクアニメを愛するイラストレーター。漫画も好きで、お気に入りは鳥山明作品。メカの描き方や実際には存在しないオリジナルの乗り物のデザインが好きで、絵を描くときには短編集を読んで刺激を得ている。