HKT48
煌びやかなスポットライトを浴びる
アイドルも、「いまだ夢探しの途中です」。
掲載:mix 2018 春号(2018.02.28)
取材・文:福島大祐
撮影協力:THE VILLAS FUKUOKA(福岡市中央区大名1-1-15 ダイヤモンドヒルズ)

松岡 菜摘、本村 碧唯、森保 まどか
HKT48
福岡発、全国を舞台に活躍する人気アイドルグループ・HKT48のメンバーも普通の女の子だ…と言ったら、首をかしげる人も多いかもしれない。結成時はあどけない中学生だった1期生の松岡菜摘さん、本村碧唯さん、森保まどかさんの3人も、今では全員が成人を迎えた。
松岡:人見知りなので前は初対面の方と話せなかったけど、AKBグループは握手会があるので、人との距離の詰め方がなんとなく分かるようになりました。
本村:メンタルが強くなった。初期の頃は緊張もあって喜怒哀楽全部で毎日泣いていたんです。去年キャプテンになったので、自分の気持ちを言葉にしないといけないことも増えました。
森保:ステージ上での表現力が豊かになったかな。ピアノが特技だけど、以前は先生の言う通りにただ弾くだけでした。今は、自分でピアノを表現したくなったので、演奏を褒められると素直に喜べるようになりましたね。
それぞれ成長を実感している様子。そんな3人の活動の中でのターニングポイントはどんな時だろう?
本村:選抜メンバーから初めて落ちたとき…それはもう泣きました(笑)。握手会の日、申し訳なくて応援してくださっているファンの方に会いたくなくて。でも、握手会で一緒に泣いてくれる方や私より悔しがっている方を見て、改めて頑張ろうと思えたんです。その時まではアイドルを辞めようとまで思っていました。
森保:私は去年の総選挙です。今まで以上に結果もついてきたので、ファンの方との絆が深まったと思う。去年は自分のプライドとかは捨てて活動して、人と素で接することの大切さを学んだ気がします。
松岡:デビューして2~3年経ったときに、さっしー(指原莉乃)と宮脇咲良ちゃんとご飯を食べに行って、2人から“ポジティブな方が楽だよ”と言われて。自分が悩んでいる間も周りはどんどん進んでいくじゃないですか。選抜発表や総選挙と常にどんどん環境が変わっていくけど、その言葉をきっかけに少し変われたかな。
アイドルとして常に上を目指しているであろう3人に将来の夢は?と尋ねると、意外にもみんな揃ってしばし沈黙。「なにも想像つかないな…」と考えをめぐらせながら、ゆっくり口を開いてくれた松岡さんの言葉が印象的だった。
松岡:私、本当に夢がなくて。アイドルを経験していく上で夢が見つかればいいなと思っていたんですけど、まだ途中ですね。欲がなくて、欲しいものが本当にないんです。休みの日にしたいことがあるのも羨ましい。どうしよう…。
…と、正直な胸の内を告白(ちなみに本村さんは『振付の仕事をもっと頑張りたい』、森保さんは『感受性豊かな大人になりたい。あと、全国の飲食店を制覇したい』だった)。
夢が見つからないという若者は多いだろうけど、シーンの最前線を今まさに突き進んでいるアイドルも同じ悩みを抱えているのだ。
いつの日か、彼女たちに明確な夢がみつかったらまた話を聞いてみたいな。
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Q.もし普通の大学生だったらなにがしたい?
本村:同じサイクルの毎日を過ごしてみたい。今はご飯も寝る時間もバラバラの日々で、メンバーや身内としか遊べないので。
松岡:友達が多い人に憧れます。男女両方から持てる、常に集団の真ん中にいる人みたいになってみたい。どこに行っても知り合いに会う、みたいな。
森保:私は大学の学食に行ってみたい。凄く凝ったものがあるみたいだから!
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