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【インタビュー】天野なつ「福岡の素敵なミュージシャンたちと作った初のアルバムです!」

福岡を拠点に活動するアイドルグループ・LinQの中心メンバーとして知られ、’18年からソロ活動をスタートさせた天野なつが初のフルアルバムを発表した。大人のポップスが鳴っている全10曲。でも、取材場所の『ミュージックプラザインドウ』で待っていたのは破顔一笑、いつもの“なっちゃん”だった。

福岡の素敵なミュージシャンたちと作った初のアルバム。
’60〜’70年代の音楽の魅力を届けていきたい

 

―上京して初の一人暮らしですよね。

天野:年末に上京してすぐコロナというタイミングだったので、正直ライヴはそんなにできていないんですけど、一人暮らしは意外と好きかもって感じです。最近ギターを始めて、自粛期間に一曲新曲もできたんです。「なんでこのタイミングで…」って最初の頃は気持ちも沈んだんですが、その時の気分を色々書いて曲にしてもらったり。配信でネットサイン会とかもしたし、ファンの方と交流したりして過ごしていました。

―一人でステージに上がる事は慣れてきましたか?

天野:緊張はそんなにしなくなってきました。でも、ソロになって最初の頃もそんなに緊張はしなかったですね。ファンの人と直接やり取りするのが楽しくて。MCで一人で喋るのは無理だろうなと思っていたんですけど、LinQの時はリーダーだったので私が話す内容がグループも関わってくるじゃないですか。でも一人だとあまり気にしなくていいから、そんなに話すことを考えてなかったりして(笑)。グループとは全然違いますけど、一人も楽しいですね。

―今回のアルバムでは作詞も数曲手掛けられていますが、これまでの日々を懐かしく愛おしく思う部分と、未来への希望と少しの不安が感じられました。

天野:ソロシンガーとなると自分の胸の内も出したほうがいいかなと思っていて。よりストレートに伝わるように結構さらけ出している部分はあるなと思います。気持ちを歌に残せるのがいいなって凄く感じていて、作詞への意欲は特にこの自粛期間で湧いてきました。LinQ時代に怪我した時の思いは『うたかたの日々』に書いているんですけど、辛かったことも今頑張れる要因になるんですよね。

―「扉を開けるとなにか変わるかな」という言葉もありますね。

天野:そうですね、期待と不安が入り混じった日々でした。

―全体を通してメロディは懐かしいJーPOPを感じる部分がありますし、遡って’60~’70年代のテイストもあります。

天野:私の両親とかがわかるような曲たちだったので、最初は凄く新鮮でした。母親が’60年代とか’70年代の曲が好きでレコードも家に置いてあるんですね。その時代の音楽を令和になって継承できる一人に私がなれるのも嬉しいし、ジャンルはシティポップとか色んなタイプの曲が揃っているアルバムだと思うので、丸ごと通して聴いても飽きない一枚になったんじゃないかなって思います。

―『True love』などは天野さんの等身大よりも大人の恋愛を歌った曲ですね。

天野:だから難しかったです。スナックで流れていそうな歌謡曲っぽくて、レコーディングは少し苦戦しました。自分が書いた歌詞だとどういう気持ちかわかるからまだ表現しやすいんですけど、書いてもらった歌詞は難しいから、歌詞を書いたスセンジーナさんに「実体験かな?」とかは聞きました。彼女は同級生で地元も近い関係性なんです。

―制作陣に福岡のミュージシャンやクリエイターが多く参加されていて“メイド・イン・福岡”の作品という印象です。

天野:そうなんですよ、福岡の方々ばっかりで。私は福岡生まれでずっと福岡で芸能活動をしていたので、福岡への愛は変わらずです。福岡にはいっぱい素敵なミュージシャンがいるよってことを東京でも伝えられたらいいなと思います。

―最後に、今後の意気込みをお願いします。

天野:やっと念願のソロアルバムを出すことができたので、アルバムのタイトルにもある通り、山を越えて全国で「こういう曲を歌っているシンガーがいるんだよ」って話題になるように活動していきたいです。一つひとつのライヴを大切にして、’60〜’70年代の音楽の魅力を伝えられたらいいなと思います。

 

【プロフィール】
福岡県出身。九州発アイドルグループ・LinQの1期生として活躍し、’13年2月からは2代目リーダーを務める。’18年6月にグループを卒業し、その後ソロ活動をスタートさせ、2枚のEPをリリース。’20年6月には1 stアルバム『Across The Great Divide』をリリースした。どこか懐かしいバンドサウンドに乗せたキュートなガールズポップを発信。舞台女優としても活動中