【humming joeに聞く】北欧の名作・良品にまつわる 知られざる「モノ」がたり vol.03

背景を知ることで、そのモノがより魅力的に見えてくる。
隠れた秘話や買い付けで得た北欧事情などを交えながら、
「ハミングジョー」の店主やスタッフが良品の魅力を教えてくれるシリーズ第3弾です。


▲アーコールコーナーには、買付け後、入念にメンテナンスされたダイニングセットやソファなどが充実。オンラインもチェック!

ハミングジョー オンラインサイト

 今回ご紹介するのは「アーコール」。インテリア好きに定評があり、100年ほどの歴史を持つイギリスの家具メーカーです。
 一番の特徴は、すべて「無垢材」でつくられていること。シンプルでいて、木の素朴な温かみがある家具として長く親しまれています。
注目すべきは、その「細やかなデザイン技術」。イギリスでは定番のウインザーチェアでいえば、背もたれの部分は「曲げ木」でできているんですね。1本の木をスチームの機械で柔らかくして、曲げていく加工法なんですが、曲げていく加工で木に粘りが出てすごく丈夫になるそうなんです。ビーチやエルムといった柔らかくて加工しやすい木を使うことで、この滑らかな曲線が実現されている点がポイント。まさに職人技なんです。
座面部分もまた素晴らしい技術が生かされていて、「組み木」で丁寧に作られているんです。ネジや釘など異素材を使わない、昔からある伝統的なスタイルが継承されています。
 そうした技術を生かした、飽きのこないデザインと品質が人気の理由で、近年は段々と値段が上がってきているようですが、ハミングジョーでは低価格での提供を維持できるよう努めています。
シリーズとしては、ナチュラルとブラウンがあり、好みは異なるかと思いますが、どちらかといえば組み合わせやすいナチュラルシリーズが好まれています。なかでも、ウインザーチェアやクェイカーチェアといった定番品やエックスバックなどのヴィンテージアイテム、スタッキングチェアはファンの多いアイテムです。
アーコール同士で組み合わせて使っていただくのはもちろんですが、チェアはデンマークのチーク材のダイニングテーブルとも相性がよく、シンプルなコーディネートを好まれる方におすすめです。
 とくにヴィンテージは現行品にない、木の飴色になった経年変化が魅力。製造年代によって形が異なるのと、1つずつ木目や色みが違ってきますので、楽しみながら選んでいただけると嬉しいです。

シーターソファ(エルム・ビーチ)


クッションはRIBACO社のNCシリーズで張替え、中綿を補充。充実のメンテナンスで、包み込まれるような座り心地に

クェイカーチェア(エルム・ビーチ)


高い背もたれのカーブが美しい定番人気のチェア。ディスプレイとして玄関先に置いたり、幅広く使える一品

ネストテーブル(エルム・ビーチ)


入れ子式になったサイズの異なる3テーブル。収納力が高く、サイドテーブルや飾り台など幅広く、単体で使える。

バタフライダイニングテーブル(エルム・ビーチ)


天板は無垢材の集成材。来客時など必要に応じ、強度のある両側の羽根を引き出し、全長125cmまで利用できる。

●教えてくれた方

サブマネージャー
浅田知恵さん

入社12年目。トーベヤンソンの世界から北欧に惹かれ、ヘルシンキへ一人旅した経験も。シンプルなチーク材の家具と雑貨を合わせたシンプルなコーディネートが得意。好きなデザイナーはスティグ・リンドベリ。